私はケパサ。ラーメンを食べるときの作法をみなさんご存じだろうか。「そんのなものあるか」と怒っている人もいるだろう。実はあるのだ。どこにあるか言えば、実はあなたの心の中にあるのだ。(ほとんど宗教の勧誘だぞ(^_^;))

私のラーメン作法は確固たる理論と信念に裏付けされている。知りたくはないだろうが、無理矢理紹介する。



1、「ごめんください」の挨拶
2、品定め
3、注文
4、スープを飲む
5、麺を箸でつまむ。
6、麺をすする。
7、チャーシューを食べる。
8、トッピング開始
9、完食しよう
10、ためいき
11、店を出る。





1、店に入るとき、元気よく「ごめんくださぁい!」とさわやかな笑顔で自分の存在を店主にアピールする。
 これは、「気持ちよく作っていただきたいなぁ。できれば人のはいいから、私の分だけはおいしく作ってね。」というわがままで、さもしい根性の現れである。このような遠大な計画とも知らず、誤解して「ケバサさんはなんて気持ちのいい挨拶をする礼儀正しい人だ。」と思ってくれる(たぶん)同僚がいるので、一石二鳥である。どの方にも、是非おすすめしたい。




 
2、注文するものは、初めての店ではオーソドックスなラーメンにする。

 ラーメンは大盛りを頼んではいけない。これは、まじめに主張したい。ラーメンのどんぶりに目印があるのをご存じだろうか。もし、ご存じでなければ、今度ラーメンを作る様子をよく観察してほしい。どこの店でも、スープを入れるときに、ある一定の線や模様のところでスープをおさめている作業を見ることができるはずだ。これである程度の味の品質を保っている。ところが、大盛りでは、この加減が難しいらしく、本来の味でないものが出てくることが多い。




3、「硬麺でお願いします。」と申し訳なさそうに注文する。
 「硬麺」「こってり」「あつあつ」というのがラーメン好きの人が好む傾向のあるラーメンの味である。(らしい)私も「硬麺」が好きなのだが、これには実はただ好きというだけでなく、ラーメンを食べる上での大切な戦術でもあるのだ。

 なにもいわずにいると十把一絡げにラーメンを作られてしまう。ところが「硬麺」を注文すると一人だけ別に麺を茹でてくれることが多い。いわば『特別待遇』なのである。「おいらはVIPだぜ。」とささやかな至福の時が過ごせるのである。一人だけ特別製のラーメンを作ってもらえるのだ。




4、ラーメンがきたら、胡椒やからし高菜、紅生姜などは使わずに、スープをすする。
 スープはその店の命である。自家製麺はあまりないが、スープはふつう自家製である。

 同じ麺を使っているおいしいラーメン店を二軒知っているが、味が全然違う。つまり、麺はラーメンの味の主張の中ではスープに比べると立場が低い。ラーメン店に敬意を払うためにもスープから食したい。




5、ラーメンの麺を箸で適当な量でつまみむ。大切なのは、肩よりも上にあげない量にすること。


6、麺をすする。どんぶりは、片手で持つ。このとき、落語家がそばを食べるときのように、できるだけ音を立ててすすることが肝要である。

 これは、つまらないことと思われるかもしれないが、とても大切。

 「なぜだ。」と疑問を持つ人も多いだろう。怒っている人もいるかもしれない。

 しかし、これは以下のような完璧な理論に裏付けされた大原則なのである。

 ラーメンの麺はふつうスープと同居しているので、麺とスープが渾然一体となった味がラーメンの本道であるはずである。従って、スープのからみが少ない麺だけを食べるというのは許せない。スープを程良く麺に絡めるにはどうすればよいか。それは、勢いよく麺をすすることである。スープを麺に絡めるにはスピードが必要なのである。しかも、ドンブリと口までの距離もある。片手で持ち、しかも勢いよく麺をすすらないと、ラーメン本来の味を堪能できない。

 近頃麺を口に押し込む方式の「ラーメンを食べる人」をよく見かけるが、ラーメンは本来このような理由で、すするべき食べ物なのである。麺の量が多いとどうしてもすすらずに「食べてしまう」ので注意が必要である。肩よりも上にあげない量というのは、一口でラーメンをすすれるだけ箸しでつまみましょう、ということである。十歳以下と猫舌の人は、技能的・体質的に困難があるだろうから許すことにする。(すごい独断と偏見の文だなあ。)




7、チャーシューを食べる。

再び、スープを飲み、麺をすする。この動作を何度か繰り返し、デフォルトのトッピングのチャーシューなどをいただく。チャーシューは全体量の4分の1をいただき、スープを飲む。

 なぜ、ラーメンにチャーシューがあるのか真剣に考えた人はいるだろうか。私はまだない。親子丼と同じく、ヌードル界における親子丼なのだろうか。

 これは、常識的に味に変化を付けるためだと考えたい。しかし、中にはめざとく「チャーシューはなぜ4分の1なのだ。」と目くじらをたてて怒る人もいるかもしれない。

 これも、大切な理由がある。みなさんは、小学校の時の給食を覚えているだろうか。先生から「おかずだけを先に食べちゃだめよ。パンも一緒に食べましょうね。」と優しく教え諭された人もいるに違いない。要するに「三角食べ」の要領である。チャーシューだけを先に食べてしまっては、ラーメンがさびしくなる。かといって、最後まで残していては、後味すっきりといかない。必然的に、ラーメンのスープと麺の減り具合で綿密な計画をたてながら、食べなくてはならないのである。




8、後は、好みに合わせてオプションのトッピングをしたり、スープや麺をいただいたりする。
ここまで、気を配った後は、「気を抜きたい。味にさらに変化を付けたい。」という欲望のおもむくままに、味付けをしてかまわないと思う。

 荒技としては、ご飯をスープに入れ「猫まんまラーメン」にするという方法もある。某テレビ局のラーメンチャンピオン達は、そうしていたし、某ラーメンチェーン店の「猫まんまラーメン」もあることだし、結構ポピュラーな技かもしれない。

9、スープは全て飲んでしまうことが望ましい。



10、スープを飲み干したら、「はぁー」とため息をつくと完璧である。おいしかった場合、「おいしかったぁ。」と付け加えるのも忘れないように。



11、そそくさと、店を出る。繁盛店ほどさっと出たいものである。「ごちそうさまでした。」と丁寧にさわやかな笑顔で出ると完璧である。





 ラーメン店への感謝の気持ちである。おいしいラーメン店に関しては、私は「聖人」になれるのである。

 あなたのラーメン作法はどうであろうか。他人のラーメン作法を知りたいものである。