温度と香りとテクスチャー

 温度と香りとテクスチャー(食感)。映画の題名のような、語呂のいい言葉である。ラーメンは、スープと元だれ、麺、トッピングの渾然一体料理だと思う。

そして、味とは別の次元で、温度と香りとテクスチャーの3要素が大切だと考えるようになってきた。

温度
温度は、一番大切である。温度が低いとどのようなことが起こるのかというと

・ 見た目が悪くなる。表面に脂が固まり始める。
・ スープに粘りが出てくる。
・ 獣臭さが出てくる。
・ 味が濃く感じられるようになる。
・ ほとんどの日本人には「ラーメンはあつあつ」のすり込みが あるので、精神的に納得できない。

香り
 たばこの煙のそばで、ラーメンを食べると腹が立たないだろうか。そして、味も変わると思う。以前TVで「蒸留水にレモンの香りをつけたら味をどう感じるか」という実験を街頭インタビュー形式でしていた。全ての人が、においしかないのに、蒸留水にレモンの味を感じていたのである。香りの善し悪しが、味に影響を与えるようである。

テクスチャー
 私は、時々生粉そば(そば粉100パーセント・つなぎなし)を打ちに、そばの師匠のところへ行く。その中で感動したことがある。全く同じそば粉と水を使ったにもかかわらず、他の人が打ったそばと味が違うのである。考えられるのは


・ そばを打つ早さと手の温度、湿度と水の量の違い
・ 包丁で切るわけだが、その太さの違い
・ そばの太さが違うと、茹でる時間が変わる。均一でないため一本一本のテクスチャーが違う

そば粉と水という単純な組み合わせだけでこれだけ味のバリエーションが変わるのは恐ろしいほどである。

温度と香りとテクスチャーにラーメン店のご主人がどれだけ深い思いを寄せているかも、ラーメンのおいしさに関わってくるのではないかと思ってしまう。